2012年06月14日-2
震災対応税制の構築と震災特例法の追加要望~日税連

 日本税理士会連合会(池田隼啓会長)は、2013年度税制に関する建議書で、震災対応税制として、(1)税制に関する災害基本法の制定、(2)震災特例法の追加措置、を提案している。まず、東日本大震災のような大規模かつ広域にわたる災害に備え、災害発生時に迅速に対応できるよう、災害の予防、応急対策及び災害復旧の各段階における基本的な税制上の支援措置を体系的に明確にする。

 震災特例法の追加措置としては、「災害損失控除」の創設を提言。現行の雑損控除は、災害または盗難若しくは横領による損失が生じた場合に、課税所得の計算上、差引損失金額から総所得金額等の10%を控除した上で、雑損控除から行うこととされている。しかし、雑損控除から災害による損失を独立させて災害損失控除を創設すべきであり、その際に、所得控除の中における控除の順序についても考慮することが必要としている。

 また、震災特例法第18条第1項(被災代替資産等の特別償却)の適用における対象資産は、新品である建物、構築物、機械装置、船舶、航空機、車両とされている。しかし、「器具及び備品」が事業主の主要設備になっている業種があり、被災した事業者の中には資金的に余裕がないところも多いことから、復旧・復興をより支援するため「危惧及び備品」及び中古資産の取得も含めるべきとして、対象資産の拡大を求めている。

 さらに、寄附金控除の年末調整化を提言。東日本大震災では、現在でも多くのボランティア活動や寄附金による支援が盛んに行われている。税制上、寄附者にとって利用しやすい制度に改めることは重要な取組みであり、寄附金控除を年末調整において適用できるようにすべきである、としている。なお、年末調整化に当たり、対象となる寄附金を適切な範囲に限定すること等で、源泉徴収義務者の事務負担増への配慮も求めている。

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