2012年05月28日-3
社保一体改革のさらなる推進で提言~関経連

 関西経済連合会はこのほど、「社会保障と税の一体改革のさらなる推進に向けた提言」を発表した。消費税率引上げをいま先送りすれば、財政再建への市場の信認を一挙に失うことになる(国債価格暴落→長期金利上昇→景気の大きな落ち込み)。ひとたび財政破綻ともなれば、経済活動や国民生活に甚大な悪影響をもたらす。少子高齢化の進行で給付と負担が均衡せず、社会保障制度の持続性に限界を迎える、と警鐘を鳴らしている。

 提言では、早急に実行すべき社会保障制度改革の第1段階として、消費税による社会保障の安定財源確保のための、(1)消費税率10%の税制改革法の早期成立と確実な実行、(2)長期を見据えた消費税率のさらなる引上げの検討(15%程度)を行い、社会保障給付の徹底した効率化・重点化を実施、毎年1兆円規模の社会保障支出の自然増を抑制するために、2013年度から次の削減策を講じ、年間4000億円の公費削減を行うとしている。

 (1)人口構造の変化を反映した年金のマクロ経済スライドの完全実施、(2)70歳から74歳の医療費患者負担を1割から本則の2割へ引上げ、(3)受診時定額負担(100円)の実施、(4)市販品類似の医薬品の公的保険対象外化、後発医薬品の活用拡大、(5)介護保険サービスの利用者負担割合を1割から最大3割へ引上げ。加えて、年金の物価スライド特例分解消を確実に行うこととしている。

 さらに、超長期的な社会保障制度の持続性確保への取組み第2段階として、年金制度を、現行の賦課方式では限界があり、早期に年金制度の抜本改革の検討に着手すべきとしている。改革の方向としては、最低保障機能を全額税方式の基礎年金で確保(生活保護と調整、収入・資産に応じて減額あるいは支給しない)、その上で、個人の持分を明確にした自立的な老後のための資産形成を積立方式で促進する年金を上乗せする方式を提案している。

 提言(概要及び提言全文)は↓
 http://www.kankeiren.or.jp/material/pdf/12517ShakaiHoshouTeigen.pdf

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