2012年05月14日-4
2011年度末の「国の借金」、過去最大の959兆円

 財務省が10日に公表した2011年3月末時点での国債や借入金などを合計した「国の借金」は959兆9503億円となり、前回発表の2011年12月末時点(958兆6385億円)を1兆3118億円上回り、過去最大を更新した。2010年度末からは35兆5907億円の増加。地方が抱える長期債務残高は2011年度末で約200兆円程度と見込まれており、国と地方を合わせた借金は、大台の1000兆円を軽く突破する状況にある。

 昨年12月末に比べ、国債は約7.2兆円増の約789.3兆円で全体の約82%を占め、うち普通国債(建設国債+赤字国債)は、東日本大震災の復興債発行などで約7.5兆円増の約669.9兆円と過去最高となった。また、一時的な資金繰りに充てる政府短期証券は約6.9兆円減の約116.9兆円、財政投融資特別会計国債も約0.1兆円減の約110.9兆円と、いずれも減少したが、借入金は約1兆円増の約53.7兆円と増加している。

 この「国の借金」959兆9503億円は、2012年度一般会計当初予算の歳出総額90兆3339億円の約10.6倍、同年度税収見込み額42兆3460億円の22.7倍である。年収500万円のサラリーマンが1億1350万円の借金を抱えている勘定だ。また、わが国の今年4月1日時点での推計人口1億2765万人(総務省統計、概算値)で割ると、国民1人あたりの借金は、昨年12月末時点の約750万円から約752万円に上昇する。

 なお、わが国の公債残高(普通国債残高)は年々増加の一途を辿っており、2012年度末(当初予算ベース)の公債残高は、2012年3月末実績での約669.9兆円から約708.9兆円程度に膨らむと見込まれている。これは、2012年度一般会計税収予算額約42兆円の約17年分に相当し、将来世代に大きな負担を残すことになる。また、この2012年度末公債残高の約708.9兆円は、国民1人当たり約555万円、4人家族で約2220万円となる。

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