2012年05月09日-2
2種類に分かれる贈与税の税率構造~税一体改革案

 相続税について、課税ベースの拡大・税率構造の見直しを図れば、死亡時点まで資産を保有することに伴う税負担が高まるため、そのこと自体によっても生前贈与を促す効果がある。これと併せて贈与税を緩和すれば、生前贈与はいっそう促進される。こうした観点から、現在国会で審議中の税一体改革関連法案では、贈与税の税率構造を緩和し、高齢者の保有資産の若年世代への早期移転を促進する見直しが盛り込まれている。

 まず、相続時精算課税制度の対象とならない贈与財産に係る贈与税の税率構造について、20歳以上の者が直系尊属から贈与を受けた場合の贈与税の税率構造を、基礎控除後の課税価格200万円以下の金額は10%、400万円以下の金額15%、600万円以下の金額20%、1000万円以下の金額30%、1500万円以下の金額40%、3000万円以下の金額45%、4500万円以下の金額50%、4500万円超の金額55%、とする。

 ただし、同特例の適用除外規定があり、その年1月1日において20歳以上の者が、贈与により財産を取得した場合において、その年の中途においてその贈与をした者の直系尊属となったときは、直系尊属となった時前にその贈与をした者からの贈与により取得した財産については、上記の適用はないものとされる。これらの改正は、2015年1月1日以後の贈与により取得する財産に係る贈与税について適用される。

 次に、同特例以外の贈与財産に係る贈与税の税率構造は、次のとおりとなる。基礎控除及び配偶者控除後の課税価格が200万円以下の金額は10%、300万円以下の金額15%、400万円以下の金額20%、600万円以下の金額30%、1000万円以下の金額40%、1500万円以下の金額45%、3000万円以下の金額50%、3000万円以上の金額55%。こちらも、2015年1月1日以後の贈与による財産に係る贈与税について適用される。

ウィンドウを閉じる