2012年05月07日-2
直系尊属からの住宅取得等資金の贈与の非課税

 2012年度税制改正では、特に若年世代への資産の早期移転が焦眉の急とされていること、また裾野の広い住宅需要を刺激することがデフレ脱却に向けた内需拡大に資することを踏まえ、省エネルギー性及び耐震性を備えた良質な住宅ストックを形成する観点から、住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置が拡充・延長された。直系尊属からの贈与により住宅取得等資金の取得をした特定受遺者は、非課税限度額まで贈与税が課税されない。

 改正前の非課税措置の適用内容は、非課税限度額が1000万円(2011年中に住宅取得資金の贈与を受けた場合)、適用対象者は贈与を受けた年の合計所得金額が2000万円以下の者に限定、適用期限は2011年1月1日から2011年12月31日までに贈与により取得する住宅取得資金に係る贈与税について適用。つまり、暦年課税の場合は基礎控除額を加えた1110万円、相続時精算課税を選択した場合は3500万円までが非課税だった。

 2012年度税制改正において、非課税限度額が次のように引き上げられ、適用期限も2014年12月31日まで3年間延長された。省エネルギー性・耐震性を備えた良質な住宅用家屋の場合は、2012年中の贈与で1500万円、2013年中の贈与で1200万円、2014年中の贈与で1000万円。上記以外の住宅用家屋の場合は、2012年中の贈与で1000万円、2013年中の贈与で700万円、2014年中の贈与で500万円となる。

 適用対象となる住宅用家屋の床面積は、東日本大震災の被災者を除き、240平方メートル以下。東日本大震災の被災者は、3年間、非課税限度額は最高額の1500万円または1000万円となる(床面積要件はなし)。この改正は、特定受遺者が2012年1月1日以後に贈与により取得する住宅取得資金に係る贈与税について適用され、特定受遺者が同日前に贈与により取得をした住宅取得等資金に係る贈与税については、なお従前の例による。

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