2012年04月18日-1
日本版スクーク債の税制措置Q&Aを公表~金融庁

 2011年度税制改正において、日本版スクーク(イスラム債)として活用しうる社債的受益権を社債と同様に取り扱う趣旨の税制措置が講じられたことを受けて、証券保管振替機構は、4月1日から「日本版スクーク」の取扱いを開始した。また金融庁は10日、日本版スクーク市場が整備されたことを踏まえ、日本版スクークに係る税制措置の周知を図るため、「日本版スクーク(イスラム債)に係る税制措置Q&A」を公表した。

 「Q&A」によると、スクーク(イスラム債)とは、利子を生じさせる社債を取り扱うことができないイスラムの投資家や発行体でも取り扱うことができる、イスラム法を遵守した金融商品で、経済的に社債と同等の性質を有するものをいう。スクークは、経済的には社債と同等の性質を有しているが、法的には社債そのものではなく、原資産となる不動産や事業から生じるキャッシュフローを分配する証券として組成される。

 我が国企業がスクークを発行するメリットとしては、(1)スクークの発行により、従来アクセスできなかったイスラムの投資家からの資金調達が可能になり、発行体は、資金調達手段を多様化することができること、(2)イスラムの教義に則ったスクークを発行することにより、発行体のイスラム圏における好感度が上昇し、イスラム圏におけるマーケティングが有利になる可能性があること、などがある。

 「日本版スクーク」とは、従来の投資家からのみではなく、イスラムの投資家からの資金調達をも可能とする金融商品で、法的には社債そのものではないが、税制上は社債と同様の取扱いが措置される。具体的には、「資産の流動化に関する法律」に規定される「特定目的信託」の「社債的受益権」を活用して組成される。「社債的受益権」とは、あらかじめ定められた金額の分配を受けるもの。税制上は、社債と同様に取り扱われる。

 同税制措置Q&Aは↓
 http://www.fsa.go.jp/news/23/sonota/20120410-1/01.pdf

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