2012年04月16日-3
相続税の連帯納付義務の不安を一部解消

 相続税の連帯納付義務は、相続後長期間が経過した後に履行を求められるケースがあるとの批判から、そうしたケースの発生を防止する緩和措置が2012年度税制改正で講じられた。2012年4月1日以後に申告期限等が到来する相続税について適用するが、同日において、滞納となっている相続税についても、上記の改正と同様の扱いとする。具体的には、次に掲げる連帯納付義務者には連帯納付義務の履行を求めないこととする。

 (1)相続税の申告書の提出期限等から5年を経過する日までに税務署長等が連帯納付義務者に対して「相続税が完納されていない旨その他一定で定める事項を記載した規定による通知」を発していない場合におけるその連帯納付義務者。(2)納税義務者が延納の許可を受けた場合におけるその納税義務者に係る連帯納付義務者。(3)納税義務者の相続税について納税の猶予がされた場合におけるその納税義務者に係る連帯納付義務者。

 改正前の制度では、相続人または受遺者が2名以上いる場合に、同一の被相続人から相続または遺贈(相続時精算課税制度の適用を受ける財産に係る贈与を含む、以下同)により、財産を取得した全ての者は、その相続または遺贈により取得した財産に係る相続税について、その相続または遺贈により受けた利益の価額に相当する金額を限度として、互いに連帯納付の義務を負うとされていた。

 ところで、相続税・贈与税の延納手続き等についても、災害その他のやむを得ない理由が生じた場合には、申請者の準備期間または税務署長の審査期間に国税通則法第11条の規定により申告期限等が延長された期間等を加算する等の措置が講じられている。2012年4月1日以後の相続もしくは遺贈または贈与により取得をする財産に係る相続税または贈与税について適用される。

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