2012年03月12日-3
税理士への業務侵害行為が「あった」は1.9%

 東京税理士会の業務侵害監察部が昨年11月に実施した「業務侵害行為に関する実態調査」結果(有効回答数2300会員)によると、最近の2年間(2009/10~2011/9)に業務侵害行為が「あった」との回答は1.9%だった。2年前の前回2009年調査(3.2%)から1.3ポイント減少した。東京会では、「業務侵害行為については、概ね解消されているといってよいのではないか」との見方を示している。

 侵害行為者の内訳は、「金融機関・証券会社」が全体の26.7%を占めて前回同様に最も多く、また「記帳代行会社」(10.7%)に対する回答も依然として多いことに加えて、「コンピュータソフト会社」が前回調査の1.0%から8.0%に増加している。一方で、「退職税務職員」は、2010年からの顧問先斡旋廃止の影響から同17.2%から8.0%と減少傾向にある。無回答を含む「その他」が32.0%あるが、その5分の1は「税理士、税理士法人」だった。

 具体的な侵害行為の手法(複数回答)は、「現在の税理士より報酬が低廉だと強調して勧誘」が前回調査より1.8ポイント増の24.0%でトップ、次いで「より詳しい専門の税理士がいるからと強調して勧誘」(10.7%)、「不動産問題や相続問題とからめて他の税理士の関与を示唆」(9.3%)「資金繰りや設備投資(業務拡大)等とからめて他の税理士の関与を示唆」(6.7%)などが続く。

 実際に侵害行為を受けての対応は、「関与先と相談した」が56.0%(42件)と過半を占め、この場合では、「顧問関係を維持した」との回答が59.5%(25件)と多くみられた。次いで「何もしなかった」が26.6%(20件)で続くが、このケースでは、「顧問先を維持した」は25.0%(5件)にとどまり、「顧問を即座に解雇された」が20.0%(4件)、「ある期間の後に解約された」が40.0%(8件)と、計6割が解約に追い込まれている。

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