2012年03月12日-2
医師の社会保険診療報酬課税の申告の注意点

 医師の社会保険診療報酬課税の特例は、2012年度税制改正でも議論となり、さらに実態を調査することで決着をみた。ところで、措置法26条の適用の有無について、社会保険診療報酬の金額が4500万円及び自由診療収入が1000万円の場合、合計5500万の年について措置法26条の適用がないことになるのだろうか。措置法26条の適用がないのは、社会保険診療報酬の金額が5000万円を超える年についてなので適用がある。

 社会保険診療報酬(窓口収入以外)を、支払基金から振込みがあったときに収入に計上しているような誤ったケースが散見される。診療報酬は、診療を行ったときに収入計上するのが原則となっている。例えば、実務の上で、12月分の診療報酬を翌年1月10日に支払基金に請求した場合にも、12月分の診療報酬は12月末に一括して収入計上することが認められている。

 また、社会保険診療に係る患者負担金を収受していない場合、患者負担金を除いたところで措置法26条を適用しているケースでは…。収受しないこととしている患者負担金については、社会保険診療報酬の収入金額に計上して措置法26条を適用することとなるから、いわゆる「措置法差額」を計算する場合、この患者負担金は、社会保険診療報酬に係る必要経費に計上することとなる。

 措置法26条の適用者が、その収入の全てが社会保険診療報酬なのに、所得の計算上、青色申告特別控除額を控除しているケースでは…。青色申告特別控除の限度額の計算上、措置法26条の適用対象とした所得は除外して計算するので、医業所得の場合、いわゆる自由診療報酬に係る所得部分のみがその計算の基礎となる。収入の全てが社会保険診療報酬であり、措置法26条の適用を受けている場合は、青色申告特別控除額は0円となる。

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