2012年03月07日-2
所得制限の判定などに要注意~確定申告

 2011年分所得税の確定申告もいよいよ後半戦に突入し、終盤近くは、税務署も大変混雑するが、判断の難しい控除などは、じっくり相談したほうが間違いない。例えば、事業専従者を配偶者(または扶養)控除の対象にしてしまう。青色申告者の配偶者(または親族)で青色事業専従者に該当し給料の支払を受ける人や白色申告者の配偶者(または親族)で事業専従者に該当する者は控除対象配偶者(または扶養親族)には該当しない。

 所得制限の判定に当たり、分離譲渡所得がある場合は、特別控除後の所得ではなく特別控除前で判定する。また、純損失(雑損失)の繰越控除がある場合は、繰越控除後ではなく繰越控除前で判定する。介護老人福祉施設等に入居している者は、同居しているとはいえない。なお、病気治療のため病院に入院または介護老人保健施設(旧老人保健施設)に入所している者は、同居として取り扱っていい。

 そのほか、納税者の合計所得金額が1000万円を超えているのに、確定申告で配偶者特別控除を適用している誤りもみられる。配偶者特別控除は、納税者の合計所得金額が1000万円を超える場合には適用されない。また、夫婦がお互いに配偶者特別控除を適用することもできない。なお、分離譲渡所得がある場合には、特別控除前で判定することに留意するが必要がある。

 ところで、納税者の合計所得金額が1000万円超えているのに、配偶者特別控除を適用しているケースだが、所得税法121条により申告不要となる所得があっても、合計所得金額の判定ではその所得を含めることになる。例えば、給与所得の金額が985万円であっても、申告不要となる不動産所得の金額が19万円あれば、合計所得金額が1004万円と1000万円以上となり、配偶者特別控除は適用できない。

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