2012年02月29日-1
住宅借入金等特別控除の適用には要注意!!

 確定申告も中盤を迎えたが、いつも納税者の頭を悩ませているのが住宅借入金等特別控除だ。まず、相続により住宅とその住宅に係る借入金を承継した場合に、住宅借入金等特別控除の適用を受けられるのか。相続により住宅を取得するとともに借入金を承継しても、その借入金は相続による債務の承継であり住宅を取得するための借入金ではないので、住宅借入金等特別控除の適用は受けられない。

 住宅借入金等特別控除の適用者が、転勤になり家族とともに赴任し、2年後に元の住宅に戻ってくる予定の場合に、転勤後も引き続き住宅借入金等特別控除の適用を受けられるのか? 住宅借入金等特別控除の要件は、家屋の取得等の日から控除を受ける年の12月31日まで引き続き居住の用に供していることが必要。したがって、2年後に元の住宅に居住する予定でも、引き続き居住していることにはならず、転勤後は適用されない。

 しかし、住宅借入金等特別控除の適用者が、2003年4月1日以後の転勤等で適用を受けていた家屋に居住しなくなったことにより控除の適用を受けられなくなった後、その家屋に再び居住をした場合は、一定の要件の下、再び居住の用に供した年から控除の再適用を受けることができる。なお、その場合には「転任の命令等により居住しないこととなる旨の届出書」を、居住の用に供しなくなるまでに税務署長に提出しておく必要がある。

 さらに、2009年度税制改正においては、2009年1月1日以降に居住の用に供し、その年の12月31日までに転勤命令などで居住しなくなった場合でも、転勤時の手続きが不要となり、再居住したときは再居住等に関する証明書類を添付して確定申告を行うことで再適用が可能となった。ただし、再入居した年にその住宅を賃貸の用に供していた場合には、再入居した年の翌年以後からの適用となる。

 ところで、耐火建築物以外の建物は建築後20年、耐火建築物は25年を超える場合には、地震に対する安全上必要な構造方法に関する技術的基準またはこれに準ずるものに適合する一定の中古住宅でない限り対象とならない。2005年3月31日以前に取得したものは、地震に対する安全上必要な構造方法に関する技術的基準またはこれに準ずるものに適合する一定の中古住宅であっても住宅借入金等特別控除の対象とはならないので注意したい。

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