2012年02月23日-2
「嘆願」制度はまだ生きている!?

 2011年度第2弾の税制改正において、「更正の請求の期間」について、従来、法定申告期限から原則1年以内であったものが5年に延長された。この改正は、2011年12月2日以後法定申告期限が到来するものから適用されているが、それより前に法定申告期限が到来するものについても、「更正の申出書」という新しい様式で、従来の嘆願に変えた手続きが整備された。

 ところで、「更正の申出書」の提出はあくまでも改正前の増額更正期間に限られる。すると、更正の申出書が提出できるのは原則3年ということに…。では、それより前の減額更正手続きはなくなるのだろうか。実は、課税庁が行う減額更正手続きの期間については改正されておらず、従来どおり原則5年間。このため「更正の申出書」が提出できる期間より前の減額更正の求めは、今までと同様「嘆願」のような手続きをする必要がある。

 また、「更正の申出」も「嘆願」と同様、法律で規定されている手続きではないので、減額が認められなくても、不服申立ての対象にはならないので注意が必要だ。そこで、改めて改正内容をみてみよう。納税者からする更正の請求期間と、課税庁からする増額更正・減額更正期間とも、原則5年に、贈与税6年、法人税のうち移転価格税制に係るもの6年、青色欠損金等に係るもの9年、その他5年となる。

 なお、青色欠損金等に係るものは、2008年4月1日以後終了の事業年度に生じた欠損金の額から適用される。それ以前のものは7年。改正前は、納税者からする更正の請求期間はすべて「1年」だった。これに対し、課税庁側からする増額更正・減額更正期間は、原則3年(減額更正は5年)、贈与税6年、法人税のうち移転価格税制に係るもの6年、青色欠損金等に係るもの7年、その他5年だった。ずいぶん差があったことが分かる。

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