2012年02月22日-2
事前通知が必要になる来年1月以降の税務調査

 2011年度11月成立の税制改正では、「税務調査を行う場合には、あらかじめ納税義務者(その納税義務者について税務代理人がある場合には、その税務代理人を含む)に対し、事前通知を行う」こととされた。ただし、正確な事実の把握を困難にするおそれ、違法もしくは不当な行為を容易にし、またはその発見を困難にするおそれ、その他国税に関する調査の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがある場合は事前通知しないこととされた。

 「事前通知」は、当初は文書通知が予定されていたが、自公の反対で文書による通知は実現しなかった。事前通知の対象となる納税義務者とは、納税者本人をいい、税務代理人とは、税理士法第30条の規定により税務代理の権限を明示する書面を提出している税理士または税理士法人(通知弁護士及び弁護士法人を含む)をいう(国税通則法74の9③)こととされている。

 「事前通知」の内容は、「調査を開始する日時」、「調査を行う場所」、「調査の目的」、「調査の対象となる税目」、「調査の対象となる期間」、「調査の対象となる帳簿書類その他の物件」、「調査の相手方である納税義務者の氏名及び住所または居所」、「調査を行う税務職員の氏名及び所属官署(税務職員が複数であるときは、当該職員を代表する者の氏名及び所属官署)」、「調査を開始する日時または場所の変更に関する事項」など10項目に及ぶ。

 調査が終了したら、税務署長等は調査の結果、更正決定等をしない場合には、「書面により通知」する。更正決定等をすべき場合は、調査結果の内容(更正決定等をすべきと認められた額及びその理由を含む)を説明する。この場合、書面通知でなくともよい。ただ、調査の結果に関し申告書を提出した場合は、不服申立てはできないが、更正の請求はできる旨説明し、書面も交付する。2013年1月1日以後に適用する。

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