2012年02月20日-3
年金誤処理で過大徴収約17億円~年金機構

 年金受給者が提出した「2012年分公的年金等の受給者の扶養親族等申告書」に関する電算処理について、委託業者による一部入力漏れがあったことから、約7万人の年金受給者の所得税が本来額より多く源泉徴収されるという事象が判明した。日本年金機構は、過大徴収分について、3月15日の年金の随時支払日に支払う。誤徴収したのは一人平均2万3000円、総額役17億円にのぼる。

 年金受給者が提出した申告書のうち、大部分はODR(光学ドキュメント読取装置)により機械的に読み取りを行っているが、汚れ等により読み取りができない場合にはパンチ入力により作成した磁気テープを用いて電算処理する。今回、作成した磁気テープの一部について、委託業者が電算処理漏れを起こしたため、申告書を提出した約7万人分について未提出扱いとなり、本来の5%源泉徴収が10%源泉徴収となってしまったもの。

 2月15日の年金定期支払の総件数は、約4100万件。申告書は、源泉徴収の対象となり得る約700万人に対して、2011年10月26日から順次送付したもの(提出期限は2011年12月1日)。対象者は、7万1984人。2月定期支払において本来額より多く源泉徴収された税額は、総額約17億円にのぼる。平均額は約2万3000円、最高額は約5万1000円、最低額は約1万円となっている。

 年金機構では、(1)収録を漏らした申告書の処理を行い、正しい源泉徴収額を算出し、その差額を3月15日の年金の随時支払日に支払う、(2)対象者には、迷惑をかけたことをお詫びする手紙を送り、本来額より多く源泉徴収した所得税を3月15日に支払いする予定である旨を知らせる、また、(3)今回の事象を分析して、再発防止策を検討実施する、との対応を示している。

 この件は↓
 http://www.nenkin.go.jp/new/press_release/h24_02/0213_01.pdf

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