2012年02月20日-2
国からの仮払金、東電からの仮払補償金の課税関係

 2011年分の所得税確定申告が16日からスタートしているが、国税庁は17日、「2011年原子力事故による被害に係る緊急措置に関する法律」に基づく国からの仮払金や東京電力からの仮払補償金の所得税法上の取扱いに関し、同庁ホームページに掲載した。一般的に、将来、損害賠償の内容や金額が確定した際に精算することを前提としている仮払金については、その支払を受けた段階では、課税関係は生じないとしている。

 東京電力から支払を受ける賠償金については、支払を受ける賠償金のうち、心身に加えられた損害に対して支払を受ける慰謝料その他の損害賠償金や、不法行為その他突発的な事故により資産に加えられた損害に対して支払を受ける損害賠償金として非課税になる。心身の損害に基因して勤務・業務に従事することができなかったことによる給与や収益の補償として受けるものを含むこととされている。

 また、支払を受ける賠償金のうち、必要経費を補てんするためのものや営業損害のうち減収分(逸失利益)に対するもの、就労不能損害のうち給与等の減収分に対するものなどは、事業所得等の収入金額となる。例えば、営業損害のうち、追加的費用に係るものや、検査費用(物)のうち、業務用資産及び棚卸資産に係るものは、必要経費を補てんするためのものに該当する。

 営業損害のうち、避難指示等により業務に従事することができなかったことやいわゆる風評被害などによる減収分、または出荷制限指示による棚卸資産等の損失など、減収分(逸失利益)に対して支払を受ける賠償金は、事業所得等の収入金額になる。これらの賠償金は、事業所得等の収入金額になった上で、減価償却費などの必要経費を控除した残額(所得)が課税の対象になる。

 さらに、就労不能損害のうち、給与等の減収分(逸失利益)に対して支払を受ける賠償金は、雇用主以外の者から支払を受けるものであることから、一時所得の収入金額になる。なお、転居費用及び通勤費増加額に対して支払を受ける賠償金は、勤務場所の変更や転職などにより支出した費用の実費弁済として支払を受けるものであることから、課税対象にはならない。

 この件の詳細は↓
 http://www.nta.go.jp/sonota/sonota/osirase/data/h23/jishin/shotoku/karibarai.htm

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