2012年02月16日-3
注意点の多い譲渡所得の必要経費

 リーマンショック後の長引く不況は、ゴルフ会員権市場にも大きな影を落としている。こんな時こそ、ミスのない申告をしたいものだ。株式形態のゴルフ会員権の譲渡による所得を15%の税率による申告分離課税しているケースが多いが、株式形態のゴルフ会員権の譲渡による所得は、株式等に係る譲渡所得等の基因となる株式等から除外されており、原則として、譲渡所得として総合課税されるので要注意だ。

 また、贈与により取得したゴルフ会員権に係る譲渡所得の計算上、贈与時に負担した名義変更料を必要経費に算入していないケースも多い。贈与や相続などにより譲渡所得の基因となる資産を取得した場合、その資産を取得するために通常必要と認められる費用を支出しているときには、各種所得の金額の計算上必要経費に算入された登録免許税、不動産取得税等を除き、その資産の取得費に算入できる。つまり、必要経費にできる。

 株式等を譲渡した場合に、金融商品取引業者に支払った管理費を控除したが…。株式等の譲渡による所得が譲渡所得である場合の株式等に係る譲渡所得等の金額の計算は、その株式等の譲渡による総収入金額からその所得の基因となった株式等の取得費やその株式等の譲渡に要した費用の額、その年中に支払うべき負債の利子の合計額を控除することとされており、管理費は、この譲渡に要した費用に当たらないこととされている。

 ところで、消費税の課税事業者が店舗等を譲渡した場合の譲渡所得の金額の計算は、その者の事業所得等に係る経理方式と同一の経理方式により計算する。税込経理方式を採用している場合は、税込価額で収入金額、取得費及び譲渡費用を計算。税抜経理方式を採用している場合は、税抜価額で収入金額、取得費及び譲渡費用を計算。非事業者及び免税事業者の譲渡所得の計算は、税込価額により計算する。

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