2012年02月13日-2
更正の請求期間が原則5年に、当初申告要件も廃止に

 これまで、法定外の手続きにより非公式に課税庁に、辞を低くして「嘆願」により税額の減額変更を求めていたものが、2011年度税制改正により、更正の請求期間の延長、増額更正期間の延長及び更正の請求の範囲の拡大に係る改正が実現し、2011年12月2日以後に法定申告期限が到来する国税について適用されることになった。虚偽の更正の請求をした場合の罰則規定は、2012年2月2日以後に行う更正の請求について適用される。

 なんといっても、納税者が更正の請求を行うことができる期間が5年(改正前1年)に延長されたことは大きい。これに加え、いわゆる「当初申告要件」がある措置について、(1)インセンティブ措置(例:設備投資に係る特別償却)、(2)利用するかしないかで有利にも不利にもなる操作可能な措置(例:各種引当金)のいずれにも該当しないものについては、「当初申告要件」を廃止し、更正の請求ができることとなった。

 例えば、所得税関係では、「給与所得者の特定支出控除」、「保証債務を履行するために資産を譲渡した場合の所得計算の特例」など7種類、法人税関係では、「受取配当等の益金不算入」、「外国子会社から受ける配当等の益金不算入」など12種類、相続税・贈与税関係では、「配偶者に対する相続税額の軽減」、「贈与税の配偶者控除」、「相続税額から控除する贈与税相当額等」の3種類がある。

 さらに、控除等の金額が当初申告の際に記載された金額に限定される「控除額の制限」がある措置について、更正の請求により適正に計算された正当額まで当初申告時の控除額を増額させることができることとなった。「受取配当等の益金不算入」、「外国税額控除」、「試験研究を行った場合の法人税額の特別控除」、「中小企業者等が機械等を取得した場合の法人税額の特別控除」など13種類にのぼる。

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