2012年01月19日-2
減価償却の「200%定率法」は今年4月から適用

 2011年度税制改正は、昨年6月に成立した事項以外の積み残し部分が11月に成立し、法人実効税率や中小法人に対する軽減税率の引下げが行われたが、同時に、課税ベース拡大のため、減価償却制度や欠損金の繰越控除制度などが見直された。このうち、減価償却制度は、これまでの「250%定率法」が「200%定率法」に引き下げられ、2012年4月1日以後に取得をする減価償却資産から適用される。

 この「200%定率法」とは、定額法の償却率(1/耐用年数)を2.0倍(200%)にした数を定率法の償却率として償却額を計算する方法だ。現行の250%定率法は、減価償却制度の抜本的な皆直しが行われた2007年度税制改正において導入されたものだが、わずか数年で改正されることになった。現行の2.5倍が2.0倍に引き下げられれば、これまでより償却スピードは鈍る。ただ、注意したいのは、経過措置が設けられていることだ。

 一つは、(1)2012年4月1日をまたぐ事業年度において、その末日までに取得した資産については、改正前の250%定率法により償却できるという新規取得資産に対するもの。もう一つは、(2)2012年4月1日以後最初に終了する事業年度の申告期限までに届け出ることによって、250%定率法を適用していた既往の取得資産について、200%定率法に変更した場合においても当初の耐用年数で償却を終了できるというものだ。

 後者は、既往の取得資産について、新規取得資産との間の償却方法を同一にするための手当だが、その適用開始時期は、4月1日をまたぐ事業年度か、4月1日以後最初に開始する事業年度、のいずれかを選択することとされている。例えば、3月決算法人では、2012年4月1日の帳簿価額を取得価額として、残余の耐用年数により200%定率法を適用することができるという経過措置だ。

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