2011年12月28日-2
2012年度税制改正は初年度177億円の増収~財務省

 財務省は12月24日、2012年度の税制改正(内国税関係)が税収に与える影響について、初年度の1012年度は177億円、完全実施後の1016年度ベースでは3030億円の増収になるとの見込みを発表した。車体課税の見直しや福島復興再生特別措置法(仮称)に係る減収要因があるものの、所得税の給与所得控除の上限設定や地球温暖化対策税(環境税)の導入などの増税見込額が上回ったことが主因となっている。

 個人所得課税では、給与所得が1500万円を超える場合の給与所得控除額に245万円の上限を設けたことで、初年度143億円(平年度842億円)の増収。また、退職所得課税について、勤続年数5年以下の法人役員に係る退職所得の課税方法について、退職所得控除額を控除した残額の2分の1とする優遇措置を廃止することで、初年度21億円(同89億円)の増収を見込んでいる。

 地球温暖化対策税(環境税)については、石油石炭税に「地球温暖化対策のための課税の特例」を設け、各燃料のCO2排出量に応じた税率を段階的に上乗せする。上乗せ部分を合わせた石油石炭税の税率を3段階で引き上げ、原油・石油製品では、1キロリットル当たり現行2040円の税額が2012年10月から2290円、最終的には2800円となり、初年度391億円、平年度2623億円の増収を見込む。

 車体課税の見直しでは、自動車重量税について、現在、登録自家用車0.5トンにつき本来の税額2500円に同額が上乗せされて年5000円が課されているが、この本来の税額への上乗せ分(約3000億円)を2012年度に半減する。減税規模は年1500億円。しかし一方で、エコカー減税を、燃費基準を厳格化して対象車種を絞るなどで約1000億円分縮小するため、初年度458億円、平年度548億円の減収にとどまる見込みだ。

 なお、福島復興再生特別措置法(仮称)に係る税制措置では、原発事故で被災した福島県のために特区をつくり、域内企業に税額控除を認めるなどで、初年度100億円(平年度154億円)の減収になる。ただし、社会・地域貢献準備金制度を廃止して初年度・平年度ともに185億円の増収になるなど、法人課税全体では初年度80億円(平年度24億円)の増収となる。

 2012年度の税制改正(内国税関係)による増減収見込額は↓
 http://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2012/24zougensyuu.pdf

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