2011年12月22日-4
地方単独事業に安定的財源を要望~地方財政審

 地方財政審議会は16日、「今後目指すべき地方税財政の方向と2012年度の地方税財政への対応についての意見」をまとめた。意見では、「地域主権改革の旗を掲げた意味をもう一度かみ締め、地域の絆としての自治の力を強めることに主眼を置くべき」とし、中長期を視野に入れた「第一 今後目指すべき地方税財政の方向」と当面実施すべき「第二 2012年度の地方税財政への対応」を提言している。

 「第一 今後目指すべき地方税財政の方向」では、地方自治体は年金を除く社会保障の大半を担っているだけでなく、国の画一的な制度では対応できない様々なニーズに地方単独事業によりきめ細かくこたえ、一人ひとりの暮らしを守っている。社会保障給付の総合的な整理及び引上げ分の消費税収の配分に当たっては、社会保障関係の地方単独事業に対しても、地方消費税のような安定的な財源が確保されるべきとしている。

 また、地方法人特別税及び地方法人特別譲与税は、社会保障・税一体改革による地方消費税の充実と同時に廃止し、その際、安定的な地方税の充実や偏在是正の観点から、消費税の地方交付税分を地方消費税へ、必要額の地方法人課税を国の法人税の地方交付税分へ、それぞれ移管する税源交換の検討を求めた。自動車取得税については、グリーン化へのインセンティブ税制としての役割を担ってきたことに十分留意する必要があるとしている。

 「第二 2012年度の地方税財政への対応」では、東日本大震災からの復旧・復興事業で地方負担が新たに生じる場合は、震災復興特別交付税の別枠での増額を行い、財源を確実に確保する。地方自治体の安定的な財政運営に必要となる地方交付税等の一般財源総額の適切な確保が不可欠で、地方交付税の法定率の引上げに踏み切るべき、特に、三位一体改革で所得税から住民税に税源移譲した際に失われた1兆円の復元を図るべき、としている。

 子どもに対する手当については、地方に裁量の余地のない画一的な現金給付は国が、地域の実情に応じて実施するサービス給付は地方が担うという役割分担の原則を踏まえた負担割合とする。年少扶養控除等の見直しによる地方増収分は、最終的に子どもへの手当の財源に活用することが求められている。サービス給付に対する国庫補助負担金を一般財源化に振り向けるなど、地方の自由度を高める方向で国費と調整すべき、とした。

 意見の全文は↓
 http://www.soumu.go.jp/main_content/000139266.pdf

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