2011年12月19日-4
投資促進税制の見直しなど中小企業関連税制の改正

 中小企業庁はこのほど、2012年度税制改正大綱に基づく「中小企業関係税制」の概要をまとめた。まず、中小企業投資促進税制の適用期限が2013年度末まで2年延長される。中小企業者等が一定の設備投資やIT投資等を行った場合に、税額控除(7%)または特別償却(30%)の選択適用が認められるが、品質向上等につながる設備投資を促進するため、設備振動試験機などの試験機器を対象に加える。

 中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例についても、適用期限が2013年度末まで2年延長される。中小企業者のみに認められた同特例は、30万円未満の減価償却資産を取得した場合に、合計300万円を限度として、全額損金算入(即時償却)が認められる。償却資産の管理や申告手続きなどの事務負担の軽減や、パソコンなどの少額資産の取得促進による事務処理能力・事業効率の向上を図る。

 交際費等の課税の特例(中小法人における損金算入の特例)も2013年度末まで2年間延長される。法人が支出した交際費は租税特別措置により、原則として損金不算入とされているが、中小企業(資本金1億円以下の法人)については、定額控除限度額(600万円)まで、交際費支出の90%相当額の損金算入が認められている。これにより、中小企業の営業活動の促進、飲食店業を中心とした需要の喚起を図る。

 研究開発促進税制も2013年度末まで適用期限が2年延長される。時限措置である増加型(試験研究費の増加額×5%)と高水準型(売上高の10%を超える試験研究費の額×控除率)の選択(法人税額の10%を限度)に加え、総額型(試験研究費の総額×8~10%(中小企業及び産学官連携は一律12%)(法人税額の20%を限度)が控除できる。控除限度額を超過した場合、超過部分については、翌年度まで繰越しできる。

 一方、会計検査院から意見表示がなされている中小企業者に対する法人税率の特例適用範囲及び中小企業者に適用される租税特別措置の適用範囲の見直し、また事業承継税制の見直し、償却資産に対する固定資産税の見直しについては、引き続き検討事項とされた。なお、東日本大震災により被害を受けた法人が産業復興機構からその法人に対する債権につき債務の免除を受けた場合には、期限切れ欠損期の損金算入をできることとされた。

 この件の詳細は↓
 http://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/zeisei/2011/download/111213KaiseiGaiyou24-1.pdf

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