2011年12月15日-2
更正の請求期間が法定申告期限から5年に延長

 申告書を提出した後で、所得金額や税額などを実際より多く申告していたことに気付いたときには、「更正の請求」という手続きにより訂正を求めることができるが、積み残しとなっていた2011年度税制改正が11月30日に成立したことに伴い、12月2日以後に法定申告期限が到来する国税について、更正の請求ができる期間が法定申告期限から原則として5年(改正前:1年)に延長された。

 また、贈与税及び移転価格税制に係る法人税についての更正の請求できる期間は6年(改正前:1年)に、法人税の純損失等の金額に係る更正の請求できる期間は9年(同:1年)に、それぞれ延長された。そのほか、登録・登記等を行う機関に対して行う、登録免許税の計算誤りなどがあった場合の過誤納金の還付に係る請求期間について、この請求期間も、登記・登録等を受けた日から5年(同:1年)に延長されている。

 なお、12月2日より前に法定申告期限が到来する国税については、更正の請求の請求期限は従来どおり法定申告期限から1年となるので留意したい。一方、この更正の請求期間の延長に併せて、税務署長が増額更正を行うことができる期間について、所得税・消費税など、改正前に3年とされていたものが5年に延長された。偽り・不正の行為により税額を免れるなど脱税の場合に税務署長が行う増額更正の期間は現行のとおり7年となる。

 今回の改正ではそのほか、更正の請求に際しては、更正の請求の理由の基礎となる「事実を証明する書類」の添付が必要となることが明確化されているので、今後、更正の請求を行う際にはこの書類を確実に添付する必要がある。また、内容虚偽の記載をして更正の請求書を提出した者に対する罰則(1年以下の懲役または50万円以下の罰金)が設けられている。これらの改正は、2012年2月2日以後に行う更正の請求から適用される。

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