2011年12月15日-1
ポルトガルとの租税条約が基本合意

 わが国とポルトガル共和国政府との「所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とポルトガル共和国との間の条約」が、このほど基本合意に至った。進出企業の投資・経済活動に係る課税関係を明確にし、二重課税を調整することが目的で、これにより租税に関する国際標準に基づく税務当局間の実効的な情報交換の実施が可能となり、国際的な脱税及び租税回避行為の防止に資することとなる。

 条約案では、(1)進出した企業の事業活動による所得に対する源泉地における課税の対象を明確にする、(2)税務当局間で課税問題を解決するための協議(その仲裁手続を含む)の枠組みを設ける、(3)税務当局間の租税に関する情報交換を実施するための規定を設ける、(4)投資先の国における投資所得(配当、利子及び使用料)に対する課税を軽減する、とされている。

 投資先の国における投資所得(配当、利子及び使用料)に対する課税軽減措置は、配当においては、親子間は5%(持株要件は10%以上)、その他10%。利子については、政府等は免税、銀行は5%、その他10%。使用料は5%、となる。両国政府内の必要な手続きを経た上で署名が行われ、条約の内容が確定する。その後、双方における承認手続き(わが国の場合には、国会の承認を得ることが必要)を経た上で、発効することとなる。

 ポルトガル共和国は、西ヨーロッパのイベリア半島に位置する共和制国家。北と東にスペインと国境を接している。西と南は大西洋に面している。ヨーロッパ大陸部以外にも大西洋上にアソーレス諸島とマイデラ諸島を領有している。首都はリスボン。かつてはヨーロッパ主導の大航海時代の先駆者ともなった。そのためヨーロッパで最初に日本や中国など東アジアとの接触を持った国家でもある。埼玉県とほぼ同じ経済規模。

 この件は↓
 http://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/international/press_release/sy231212pt.htm

ウィンドウを閉じる