2011年12月14日-2
登録免許税の課税標準算定に「調整割合」~法務省

 法務省は、東日本大震災に係る被災者生活支援法が適用された地域に存する不動産につき、登録免許税の課税標準として不動産の価額を用いる場合について、その不動産が所在する市区町村が東日本大震災後に固定資産課税台帳の価格を改定するまでの間における特別措置として、「調整割合」を講ずる。「東日本大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例法の一部改正法」の施行(12月7日)と同時に開始する。

 所有権の移転の登記や地上権の設定の登記等を申請する場合には、登記の時における不動産の価額を課税標準として、登録免許税額が算出される。市区町村が管理する固定資産課税台帳に登録された不動産の価格を基礎とするが、例えば、津波による被害を受けた土地については、津波被害によってその価額が下がっている。このため、被災地域の土地・建物について、「調整割合」を乗じて登録免許税の軽減を図ろうというもの。

 具体的には、同省が定めた「調整割合」を今年1月1日現在の固定資産課税台帳の価格に乗じて得られた額を課税標準とする。7日に成立した「東日本大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例法の一部改正法」の施行と同時に開始する。この取扱いは、震災発生日(3月11日)に遡って適用。納付済みの登録免許税が過大となっている場合は、法務局から郵送により順次納税者に通知され、還付措置がとられる。

 土地については、国税庁の「東日本大震災により相当な被害を受けた地域として財務大臣の指定する地域(指定地域)内にある土地等(特定土地等)の評価方法」の震災による地価下落を反映した「調整率」を、建物については、「災害被害者に対する租税の減免、徴収猶予等に関する法律」第4条及び第6条に規定する被害を受けた部分の価格についての合理的な計算方法を参考として定めている。

 土地の課税標準が2000万円の場合、「調整割合」が「0.6」であれば、登録免許税は10万4000円軽減される。なお、原発事故による警戒区域、計画的避難区域及び緊急時避難準備区域に指定された区域内の土地及び建物は、評価の先例がなく、不動産市場も成立しておらず、「調整割合」を定めることは困難なため、登記の申請を行うに当たり、その価格を「0」として差し支えない(土地に係る調整割合表上は、「(0)」と表記している)。

 この件の詳細は↓
 http://houmukyoku.moj.go.jp/homu/static/cyouseiwariai_index.html

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