2011年12月05日-2
国外関連税務を最終調整中~政府税調

 2012年度税制改正大綱は、5~8日の政府税制調査会による全体会合(残された課題のとりまとめ及び要望関係の最終整理)を経て、9日にとりまとめが行われる予定だが、現在、国外関連税務に関する最終調整が進められている。「外国親会社から付与された株式等を取得する権利の行使等に関する調書制度の創設」、「徴収共助・送達共助に係る国内法の整備」などが検討されている。

 「外国親会社から付与された株式等を取得する権利の行使等に関する調書制度」は、外国親会社から内国子法人の従業員等に対して株式等が直接付与されたことによる所得の申告漏れが多いことから、外国法人の子会社である内国法人や外国法人国内支店の従業員等が株式等を取得したときは、その内国法人や外国法人の支店の長は、その株式等の種類その他一定の事項を記載した調書を提出しなければならない制度を創設するもの。

 また、「徴収共助・送達共助に係る国内法の整備」では、税務行政執行共助条約(マルチ条約)や、二国間条約の国内担保法を整備する観点から、現行の租税条約実施特例法の徴収共助の規定について、(1)マルチ条約やOECDモデル条約では、一般私債権者の債権回収機会を損なわないよう、外国租税債権には優先権を認めず、国内法もそれに対応した見直し、(2)徴収共助を行わない事由(除外事由)を整備し、具体的手続を明確化するもの。

 具体的には、外国租税債権には国税徴収法の優先規定を適用しない、外国租税債権の徴収手続が民事執行・倒産手続と競合した場合には外国租税債権に優先配当されないような措置を講じる。また、わが国の国益に悪影響が及ぶ場合や、私人の権利を制約することに鑑みれば相手国に協力するのが適当でない場合として、相手国で納税者の権利救済の機会が適切に確保されていない場合などについては、共助に応じない旨の規定を整備する。

 関係資料は↓
 http://www.cao.go.jp/zei-cho/gijiroku/zeicho/2011/__icsFiles/afieldfile/2011/12/01/23zen21kai7.pdf

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