2011年12月01日-3
積み残し分税制改正法が11月30日成立

 2011年度税制改正の積み残し分である「経済社会の構造の変化に対応した税制の構築を図るための所得税法等の一部を改正する法律」、「経済社会の構造の変化に対応した税制の構築を図るための地方税法等の一部を改正する法律」が30日、参院本会議で可決・成立した。国税では、法人税率の引下げ及び納税環境整備は政府修正案どおり、個人所得課税、資産課税関係の改正は削除されている。

 また、震災復興財源に関する「東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法」、「東日本大震災からの復興に関し地方公共団体が実施する防災のための施策に必要な財源の確保に係る地方税の臨時特例に関する法律」も同日、成立した。民主・自民・公明3党の税調会長合意に基づき、復興特別所得税の課税期間の延長、復興債の償還期間の延長、たばこ税増税の削除などが盛り込まれている。

 国税関係の改正では、法人税の実効税率の5%引下げ(30%→25.5%。中小法人に対する軽減税率は18%→15%)、課税ベースの拡大等(減価償却の見直し、欠損金繰越控除の見直し、研究開発税制の見直し等)は政府修正案どおり。しかし、資産課税の相続税の基礎控除引下げ、税率構造の見直し、贈与税の税率構造の緩和等、個人所得課税の給与所得控除の上限設定、特定支出控除の見直し、成年扶養控除の縮減等は削除されている。

 地方税関係では、国税の法人税の税率引下げにより自動影響。ただし、法人実効税率引下げと課税ベース拡大に伴う都道府県と市町村の増減収調整のため、道府県たばこ税の一部が市町村たばこ税に移譲される。個人所得課税関係でも国税の所得税の改正が削除されたことに伴い自動影響。しかし、個人住民税における退職所得の10%税額控除の廃止については、施行期日の修正(2012年1月1日→2013年1月1日)により実施される。

 参考資料は↓
 http://www.cao.go.jp/zei-cho/gijiroku/zeicho/2011/__icsFiles/afieldfile/2011/11/15/23zen17kai3.pdf

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