2011年11月28日-4
大企業調査での申告漏れ所得は58%減の5511億円

 国税庁の発表によると、今年6月までの1年間(2010事務年度)における資本金1億円以上の大企業(調査課所管法人)に対する調査は、前年度に比べ9.5%減の3447件実施され、うち3060件(前年度比7.6%減)から同58.0%減の5511億円の申告漏れ所得を見つけ、加算税129億円を含む1110億円(同50.2%減)の税額が追徴された。1件あたりの申告漏れ所得金額も同53.6%減の1億5988万円と大幅に減少した。

 申告漏れ所得の大幅な減少は、前年度が約2.4倍の1億3126億円と大幅増加だったことの反動とみられる。また、故意に仮装・隠ぺいなどにより不正計算があった件数は、調査件数全体の24.1%(前年度比4.4ポイント増)の831件(同10.9%増)で、その不正脱漏所得金額は11.3%増の533億円。不正1件あたりの不正脱漏所得金額は2.1%増の6410万円となり、不正の大口化は相変わらず続いていることがうかがえる。

 調査課所管法人のうち連結法人の状況をみると、2010事務年度は99グループ(前年度比10.0%減)に対して実地調査が行われ、うち91件(同13.3%減)から861億2200万円(同60.7%減)の申告漏れ所得金額を見つけ、163億9200万円(同72.4%減)の税額を追徴した。更正・決定等があった91件のうち53.5%に当たる53件(同20.5%増)は不正計算があり、その不正脱漏所得は145億2100万円(同191.6%増)にのぼった。

 調査1件当たりの申告漏れ所得は8億7000万円(前年度比56.3%減)、不正申告1件当たりの不正脱漏所得は2億7400万円(同142.1%増)となる。なお、調査課所管法人に対する消費税の実地調査は3671件(同8.5%減)に対して行われ、非違のあった2556件(同3.7%増)から加算税30億円を含む215億円(同10.3%増)の税額を追徴している。調査1件当たりの追徴税額は586万円となる。

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