2011年11月24日-2
復興特区に係る税制上の特例措置がより柔軟対応へ

 近く成立する復興支援税制(第2弾)で、復興産業集積区域(復興特区)に係る税制上の特例措置が設けられる。東日本大震災により多数の被災者が離職を余儀なくされまたは生産基盤の著しい被害を受けた地域を有する認定地方公共団体が設置する復興産業集積区域(仮称)内に新設され、2016年3月31日までの間にその地域の雇用機会の確保に寄与する事業を行う者として認定を受けた法人が、指定日以降5年間法人税が実質無税となる。

 具体的には、次の(1)~(3)の選択適用となる。(1)新規立地促進税制:特区内に新設され、指定を受けた企業が、指定の日から5年間にわたり所得金額を再投資準備金として積み立てたときは、その額を損金算入できることとし、実質的に法人税を5年間、無税とできる、(2)事業用設備等の特別償却または税額控除:特区において新たに取得した事業用設備等の即時償却または15%の税額控除(控除上限=法人税額の20%)。

 (3)法人税の特別控除:特区にある事業所で被災者を雇用している企業についてその従業員に対する給与等支払額の10%の税額控除。本社は東京でも適用可、既存の工場等も対象となる(控除上限=法人税額の20%)。また、「研究開発促進税制の特例等」として、特区において新たに取得した開発研究用減価償却資産の即時償却、開発研究用減価償却資産の減価償却費について12%の税額控除(控除上限=法人税額の20%)も設けられる。

 (1)の指定を受けた企業については、(1)特区を規定する復興推進計画の認定の日以後に設立された、(2)被災者を5人以上雇用し、かつ給与総額が1000万円以上、(3)特区内に本店を有する、など6項目の要件を全て満たす必要がある。特に、「特区内に本店を有する」との要件は、財務省が「既存事業所を切り離し、新たに子会社(100%)として設立すれば適用できる」との柔軟な対応を示したことから、使い勝手が非常に良くなった。

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