2011年11月14日-3
要望にない項目を中心に2012年度改正を検討~税調

 15回税制調査会(会長:安住純蔵相)が8日に開かれ、総務省による租税特別措置等に係る政策評価の点検結果報告、固定資産税(総務省・国土交通省)、国際課税(外務省)、中小企業者に適用される租税特別措置の適用実態(経済産業省)、会計検査院の意見表示(社会保険診療報酬の所得計算の特例)等、要望にない項目、過去の税制改正大綱について2012年度の検討課題とされた項目について議論・検討した。

 総務省による租税特別措置等に係る政策評価の点検結果報告では、165件の点検の結果、評価に求められる一定水準に達している租特評価はわずか16件で、租特評価の大半(149件)は、有効性(費用対効果)の分析・説明が不十分と報告した。固定資産税に関しては、2012年が3年に1度の評価換えの年に当たることから、住宅用地特例について「課税標準額を評価額の1/6等に引き下げる措置」等の検討課題を取り上げた。

 国際課税関係では、先のG20でわが国が署名した「税務行政執行共助条約」の内容及び経済取引のグローバル化に対応した国際課税について検討。また、外務省要望の「国際開発連帯税」に関し、航空券連帯税、通貨取引開発税などが議論された。経産省が行った「中小企業関連税制の適用実態調査」を報告、「毎年度、安定的に大企業並みの所得金額を得ている中小企業は非常に少ない」とした。

 会計検査院が意見表示した「社会保険診療報酬の所得計算の特例」では、「特例の基準は、医業事業者の経営規模を測るための基準としては必ずしも適切ではなく、このため小規模医療機関を対象にその事務処理の負担を軽減するという特例の目的に十分沿ったものとはなっていない」と指摘しており、社会保険診療報酬5000万円以下の部分に対する概算経費率(72~57%の4段階)の見直しについて、今後議論する。

 関連資料は↓
 http://www.cao.go.jp/zei-cho/gijiroku/zeicho/2011/23zen15kai.html

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