2011年11月11日-2
2010年度中に税関が112件の関税・消費税反則を摘発

 財務省は7日、2010事務年度(10年7月~11年6月)に、全国の税関が輸入品の関税及び消費税ほ脱(偽りその他不正により関税・消費税を免れる行為)に係る犯則調査を行った結果を発表した。同事務年度中に130件の関税・消費税ほ脱事犯に係る反則調査に着手。また、同事務年度中に反則調査を終了し処理(検察官への告発または税関長による通告処分)した件数は112件(前事務年度98件)で、うち1件(同10件)が告発された。

 同事務年度中に処理した112件に係る関税・消費税ほ脱額は、総額で3833万円(関税1514万円、消費税2319万円)。前年度から約219倍と大幅に増加した前事務年度(80億9749万円)からは一転して99.5%の大幅減少となった。うち、告発分は893万円(関税833万円、消費税60万円)で、前事務年度から99.9%の大幅減少となった。前事務年度は、告発分10件の関税・消費税のほ脱額は80億4614万円にのぼっていた。

 反則調査は、輸入事後調査とは別に、不正な手段により故意に関税・消費税を免れた納税義務者(輸入者)に対して、不足税額を課すほかに、そうした反社会的行為に対して刑事責任を追及するため、犯罪捜査に準ずる方法でその事実の解明を行う調査。関税・消費税のほ脱事犯に係る反則調査は、大口・悪質な脱税者の刑事責任を追及し、その一罰百戒の効果を通じて、適正かつ公平な課税を実現するという重要な使命を担っている。

 2010年度の犯則調査では、東日本大震災後、紙巻きたばこの密輸入事件を多数摘発し、年間約52万本を押収した。例えば、犯則嫌疑者Aらは、入国に際し、スーツケースに大量の紙巻きたばこを隠し、これを申告せずにたばこ税等を免れようとした。そのほか、犯則嫌疑者Bらは、国際小包郵便を利用して高関税率のこんにゃく粉を輸入するに際し、その品名や価格、名宛人を偽り、関税等を免れようとした関税脱税事件などがあった。

 同調査結果は↓
 http://www.mof.go.jp/customs_tariff/trade/collection/ka231107c.htm

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