2011年11月11日-1
会計検査院、税金の徴収漏れ約2億6千万円を指摘

 会計検査院が7日に公表した2010年度決算検査報告によると、各省庁や政府関係機関などの税金のムダ遣いや不正支出、経理処理の不適切などを指摘したのは568件、約4283億8758万円にのぼった。前年度に比べ、指摘件数は418件減り、指摘額(前年度1兆7908億8354万円)では約70%減となったが、前年度に次ぐ過去2番目の金額。前年度は、独立行政法人の利益剰余金や国の特別会計について1兆円を優に超える指摘を行っていた。

 財務省に対しては、税金の徴収額の過不足2億7537万円(前年度5億1588万円)が指摘された。72税務署において、納税者102人から税金を徴収するにあたり、徴収額不足が97事項、2億6397万円、徴収額過大が5事項1140万円だった。前年度は、113署において徴収不足が205事項、4億9440万円、徴収過大が9事項、2149万円だったので、徴収不足、徴収過大ともに約47%減と、ほぼ半減したことになる。

 徴収が過不足だった102事項を税目別にみると、「法人税」が69事項(うち徴収過大3事項)でもっとも多く、以下、「申告所得税」20事項(同2事項)、「相続・贈与税」3事項、「源泉所得税」3事項、「消費税」2事項となっている。これらの徴収不足額や徴収過大額があった102事項については、会計検査院の指摘後、すべて徴収決定または支払決定の処置がとられている。

 検査院の報告では、法令違反に当たる不当事項として、(1)査察事案の事務処理が適正に行われなかったため、重加算税等を賦課決定できなかったり、延滞税を過小に決定したりしていたもの1件、不当金額(収入)3564万円、 (2)還付金等に係る支払事務において、未納の国税に充てなければならない還付金等を還付していたもの1件、同886万円、(3)職員の不正行為1件同703万円、 などを指摘している。

 また、検査院は、社会保険診療報酬の所得計算の特例に係る租税特別措置について、青色申告決算書等において社会保険診療報酬に係る実際経費を計算していた医療事業者が、概算経費を必要経費として所得金額の計算を行い、特例の適用を受けていたことによる推計減税額(収入)が合計32億1109万円あったことについて、財務省及び厚生労働省に対し意見を表示しまたは処置を要求している。

 財務省に対する不当事項は↓
 http://www.jbaudit.go.jp/report/new/summary22/futo06.html

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