2011年11月09日-3
輸入事後調査で135億円の関税・消費税を追徴

 財務省は7日、2010事務年度(10年7月~11年6月)に全国の税関が輸入者に対して行った事後調査(輸入貨物に係る関税・消費税が適正に納税申告されていたかを調査)結果を発表した。同事務年度中に6031者の輸入者を調査した結果、うち70%の4226者が申告漏れがあり、その申告漏れ課税価格は1933億4126万円、これに対する追徴税額は135億7863万円にのぼった。うち、重加算税額は過去最高額の1億2980万円だった。

 輸入事後調査は、輸入貨物の通関後における税関による税務調査のことで、輸入貨物に係る納税申告が適正に行われているか否かを事後的に確認し、不適正な申告は是正するとともに、輸入者に対する適切な申告指導を行うことにより、適正な課税を確保することを目的に行われる。貨物の輸入通関後、輸入者の事業所等を個別に訪問して、輸入貨物についての契約書、仕入書その他の貿易関係書類や会計帳簿書類などを調査するもの。

 納付不足税額の多い上位5品目は、「電気機器」の19億334万円、「光学機器等」17億1734万円、「機械類」11億5137万円、「織物衣類」10億3962万円、「調整食料品」7億2596万円。主な申告漏れの内容は、(1)インボイスに記載された決済金額以外の貨物代金の申告漏れ、(2)海外生産のために輸入者が輸出者に無償で提供した原材料費用などの申告漏れ、(3)仮インボイス価格と確定インボイス価格との差額の申告漏れ、などだった。

 例えば、輸入者Aは、ドイツの輸出者から医薬品原料を輸入しており、2010年1月から12月の間に輸入された貨物に遡及して価格調整を行い、調整金を別払いしていた。本来、この別払いした調整金は課税価格に含めるべきものだったが、Aは課税価格に含めた納税申告をしていなかった。その結果、申告漏れ税課税価格は55億4015万円にのぼり、追徴税額は約2億7701万円に達した。

 なお、2010年度において、全国の税関が収納した関税・消費税等の総額は約4兆9634億円と、前年度に比べ約4834億円(10.8%)増加した。増加が多かった項目では「消費税及び地方消費税」があり、同約3664億円(13.3%)増の約3兆1224億円と、税関収納額全体の6割強を占めている。「関税」は7859億円(前年度比7.4%増)、酒税やたばこ税等を合計した「その他内国消費税」が1兆337億円(同6.3%増)などだった。

 同調査結果は↓
 http://www.mof.go.jp/customs_tariff/trade/collection/ka231107b.htm

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