2011年11月04日-2
法人の申告漏れ総額、約39%減の1兆2557億円

 国税庁が2日に公表した今年6月までの1年間(2010事務年度)における法人税調査事績によると、不正計算が想定されるなど調査必要度の高い12万5千法人(前年度比10.3%減)を実地調査した結果、うち72%にあたる9万件(同10%減)から前年度に比べ38.7%減の総額1兆2557億円の申告漏れを見つけた。加算税額401億円を含む2520億円(同33.7%減)を追徴。1件あたりの申告漏れは31.7%減の1007万円となる。

 実地調査件数は、東日本大震災の被災者に対する税務相談への対応等に事務量を割いたことから1割程度減少し、申告漏れ総額も2年ぶりの減少となった。また、調査した20.6%(不正発見割合)にあたる2万6千件(前年度比12.1%減)が故意に所得を仮装・隠ぺいするなどの不正を行っており、その不正脱漏所得は前年度比14.1%減の3475億円だった。1件あたりの不正脱漏所得は同2.4%減の1352万円と3年ぶりに減少した。

 不正を業種別(調査件数350件以上)にみると、不正発見割合の高い10業種では、「バー・クラブ」が50.9%で9年連続のワースト1位となった。「バー・クラブ」は、近年24年間で23回1位(唯一2001年度がワースト2位)という不名誉な記録を持つワースト業種の常連。次いで、これも常連の「パチンコ」(40.4%)が続き、この2業種は8年連続でワースト1、2位となっている。3位は「廃棄物処理」(31.3%)。

 一方、1件あたりの不正脱漏所得金額が大きい10業種では、1位は前年6位の「パチンコ」の4699万円、2位は同8位の「産業用電気機械器具製造」(3489万円)、3位は同ランク外の「電子機器製造」(3355万円)、4位は同1位の「水運」(2731万円)と続いた。不正発見割合でワースト1位の「バー・クラブ」は高額10業種に入っておらず、1件あたりの不正脱漏所得金額は1478万円と相対的に少ない。

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