2011年10月27日-4
同友会、2012年度税制論議に向け緊急アピール

 経済同友会は24日、「2012年度税制改正論議に向けての緊急アピール~経済成長と財政再建の実現に向けた政策の優先順位を明示せよ~」を公表した。「日本の再生にとって『経済成長』と『財政再建』は車の両輪であり、二律背反的な議論を乗り越える必要がある。財政運営戦略で定めた『2020 年のプライマリー・バランス黒字化』目標の実現には経済成長と歳出削減、増税が必要」と強調している。

 まず、復興経費については、わが国財政への国際的な信用を維持するため、規律ある調達・償還計画が不可欠と指摘。支出規模(10年間で23兆円)から考えれば、ある程度の国民の負担増は不可避で、増税への理解を得られるような環境整備が大前提となる。そのためには、行政改革による不要不急の歳出の徹底的な削減、政府保有株式の売却等税外収入の積上げを最大限に行うとともに復興特別基金を創設、復興基金債の発行を提唱した。

 次に、社会保障・税一体改革の確実な実行が必要で、今回の消費税率5%引上げについては、歳入改革の第一歩として是が非でも次期通常国会において関連法案の成立を目指すべきである。その際、「景気に配慮しつつ」などの条件を理由に改革を先送りするなど、政治決断のブレを招いてはならない。社会保障の財源問題こそ、将来世代にツケを回すことなく解決すべき課題である、としている。

 さらに、復興債の償還期間の延長問題について、野党からの「復興債の償還期間の延長」の要求に対して、与党が柔軟な姿勢を見せているが、償還期間の延長を認める場合には、政府・与党による増税案についても白紙で見直す必要がある。また、国民の理解を得るためには、政府は復興財源の償還問題だけでなく、国・地方の累積債務問題についての真摯な取組み姿勢と具体的な行動計画を明確に打ち出す必要がある、と指摘している。

 同緊急アピールは↓
 http://www.doyukai.or.jp/policyproposals/articles/2011/pdf/111024a.pdf

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