2011年10月26日-1
総務相が停止原発に課税する福井県の核燃料税に同意

 川端達夫総務相は21日、7月21日に福井県から協議のあった法定外普通税「核燃料税」の更新に同意した。停止原発に課税するのは全国で初めて。同県では、これまで講じてきた諸施策を引き続き実施するとともに、東日本大震災における原子力発電所の事故を踏まえ、迅速な情報伝達体制の整備や避難場所の確保等、県民の安心安全のための緊急的な対策を行うことが急務であるとして、課税の継続を求めていた。

 同県は、1976年に全国に先駆けて法定外普通税である「核燃料税」を創設し、原子力発電所の立地に伴う安全対策や民生安定・生業安定対策等の諸施策を推進してきた。これらの財政需要に応えていくため、適用期限を5年間延長し、税率を12%から17%相当に引き上げた上で、従来の「発電用原子炉に挿入された核燃料の価額」に加え、その税率の半分相当について「発電用原子炉の熱出力」を課税標準とする新しい仕組みを導入する。

 核燃料税の概要については、課税団体は福井県、税目名は核燃料税(法定外普通税)、課税客体は、(1)価額割(発電用原子炉への核燃料の挿入)、(2)出力割(発電用原子炉を設置して行う発電事業)となる。課税標準は、(1)価額割(発電用原子炉に挿入された核燃料の価額)、(2)出力割(発電用原子炉の熱出力)、納税義務者は、発電用原子炉の設置者となる。

 さらに、税率は、(1)価額割(100分の8.5)、(2)出力割(4万5750円/千キロワット/1課税期間)、徴収方法は、申告納付。収入見込額は、初年度10億1600万円、平年度121億8100万円、非課税事項はなし、徴税費用見込額は、平年度500万円、課税を行う期間は5年間(2011年11月10日~2016年11月9日)。全国の立地道県が追従すれば、原発停止でコスト増が懸念する電力事業者にとって、さらなる打撃になることが予想される。

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