2011年10月17日-5
11年度税制改正での「納税者権利憲章」の策定見送り

 民主党税制調査会は7日の役員会で、未成立の2011年度税制改正法案に盛り込まれている「納税者権利憲章の策定」を法案から外し、2011年度改正では見送る方針を確認した。自民党が反対していることが理由で、次の臨時国会で法案を成立させるために野党の合意を取りつけることを優先する。納税者権利憲章は、民主党の2009年衆院選政策集に盛り込まれており、国税通則法に「納税者の権利」を書き込む予定だった。

 11日に政府税制調査会で示された「東日本大震災からの復興のための事業及びB型肝炎対策の財源等に係る税制改正大綱」において、「納税者権利憲章の策定等(「納税者権利憲章」の作成・公表、国税通則法の題名変更、同法の目的規定の改正)については、見送ることとする。なお、政府は、税務行政の適正かつ円滑な運営を確保する観点から、納税環境の整備に向け、引き続き検討を行うものとする」とした。

 2011年度税制改正法案では、国税通則法の見直しとして目的規定を改正、「税法の体系的な構成を整備し、かつ、国税に関する法律関係を明確にするとともに、国税に関する国民の権利の保護を図りつつ税務行政の公正な運営を確保し、もって国民の納税義務の適正活円滑な履行に資することを目的とする」として、税務行政において納税者の権利利益の保護を図る趣旨を明確にすることとしていた。

 国税通則法の取扱いについて、同大綱では、(1)税務調査手続きについては、現行の運用上の取扱いを法律上明確化する、(2)更正の請求期間の延長等、理由附記等については、原案通り、とし、施行時期を原則として2012年1月1日から2013年1月1日に変更。更正の請求期間の延長等は、2011年4月1日から改正法の施行日に、白色申告者への理由附記は、記帳義務化と併せて、2013年1月1日から2014年1月1日に変更する、としている。

ウィンドウを閉じる