2011年10月06日-2
文科省、霞ヶ丘競技場整備へ寄附金税制の拡充を要望

 国際競技大会である2019年ラグビー・ワールドカップ開催や、2020年のオリンピック招致に向けて、また、老朽化に伴う改築のため、国立霞ヶ丘競技場(国立競技場)の整備事業について100億円規模の寄附事業が展開されている。文部科学省は2012年度税制改正要望で、個人や企業など、広く一般からの寄附に対する寄附税制を拡充、「個人寄附に係る税額控除選択制の導入」、「法人寄附に係る全額損金算入制度」の創設を目指している。

 寄附金控除を受けるためには、現在、確定申告が必要で、電子申告をする場合も電子証明書の取得やソフトウエアのインストールが必要だが、社会保険料控除や生命保険料控除、地震保険料控除等と同様、寄附金控除を年末調整の対象とすることを要望。年末調整の対象とすることで、寄附者の事務手続き負担軽減、寄附環境の整備が図られ、寄附インセンティブの増大効果が見込まれる、としている。

 ところで、国立競技場の前身は「明治神宮外苑競技場」(神宮競技場)で、1924年10月に、日本で初めての、そして東洋一の本格的陸上競技場として、青山練兵場跡地であった同地に建設された。1919年12月に工事が着工され、その後、物価の高騰や関東大震災の被災者の収容施設になるなどで工事が中断され、1925年3月にやっと工事が再開され、同年10月に完成した。

 終戦から数年後、日本は、「平和な日本の姿をオリンピックで世界へ示したい」として、オリンピック招致の声明を出す。そのための国際的なアピールとして、1958年、「第3回アジア大会」を東京で開催、そのメイン会場として生まれ変わったのが、現在の国立競技場。そして1964年の東京オリンピックへと続く。果たして2020年東京オリンピックが再度幕を開けるのか、寄附金税制の拡充とともに注目される。

 文科省の2012年度税制改正要望は↓
 http://www.mext.go.jp/component/b_menu/other/__icsFiles/afieldfile/2011/09/30/1311670_006_1.pdf

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