厚生労働省は、2012年度税制改正要望として、(1)子ども・子育て、(2)医療・介護等、(3)年金、(4)就労促進、(5)その他の主な施策、を掲げている。「子どもに対する手当の制度のあり方」（８月４日民主・自民・公明３党幹事長・政調会長合意）に基づき、2012年度以降の子どものための現金給付の所得制限世帯の所得税・住民税の扶養控除（所得控除）の廃止による減収に必要な税制上の措置を2012年度から講じる、としている。
また、「たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約」の締約国として、たばこ対策を強力に進めていくことが求められていることや、「健康日本21」で成人の喫煙に関する目標が設定され、「がん対策推進基本計画」では、たばこ対策が重要ながん対策と位置づけられていることを踏まえ、国民の健康の観点から、たばこの消費を抑制するため、たばこ税及び地方たばこ税の税率の引上げを要望した。
一方、今日、約3700万人が公的年金受給者として年金所得を得、そのうちの約６割が年金所得のみで生活しているにもかかわらず、年金所得の税法上の位置づけが明確にされず、雑所得とされていることは不合理であるとして、税法上の所得の一類型として新たに「年金所得」を設ける。また、高齢者の生活の安定を図る見地から、老年者控除の復活をはじめ、年金受給者の税負担のあり方について検討を行う。
さらに、雇用機会均等・男女共同参画の理念から、働き方の選択にできる限り中立的な制度となるよう配偶者控除の見直しを要望。パートタイム労働者の雇用管理の改善につながる一定の取組み（短時間正社員制度の導入等）を実施した事業主に、税制上の措置を講じる。そのほか、当期の法人税額の10％（中小企業は20％）を限度に、雇用増加数１人あたり20万円の税額控除を行う雇用促進税制につき、税額控除額の引上げを求めている。
厚労省の税制改正要望は↓
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001q79e-att/2r9852000001q7vb.pdf