2011年10月05日-2
国税庁、2012年度定員要求で1098人の増員を要望

 国税庁が9月30日に発表した2012年度定員・機構要求によると、2012年度の定員要求については、増員要求が強く抑制されているなか、(1)東日本大震災への対応、(2)税制改正への対応、(3)審理体制の充実強化、(4)調査・徴収体制の充実強化、(5)国際化への対応及び(6))社会保障・税に関わる番号制度への対応の観点から、前年の1087人より11人多い1098人の増員要求(仮置き)を行った。

 ただし、2012年度の国税庁の定員合理化目標数が1060人となっていることから、このまま要望が100%認められれば、同庁の定員数は38人の純増(2011年度29人)となる。一方、機構関係の要望については、「審理体制の充実強化」、「調査・徴収体制の充実強化」、「国際化への対応」、「社会保障・税に関わる番号制度への対応」を主眼において、真に必要な機構の要求を行ったとしている。

 このうち、調査・徴収体制の充実強化策では、広域化・国際化・高度情報化といった“3K”事案に対応するための資料情報の収集等の目的で東京局査察部に「査察広域情報管理課」(仮称)の新設やコンプライアンスの維持・向上のための「課税第一部次長」(東京局)と「課税第二部次長」(札幌局)の増設などを、また社会保障・税に関わる番号制度への対応では、国税庁に「参事官」、「国税企画官」、企画課に2名の課長補佐の増員を求めた。

 そのほか、2010年度から要望に盛り込まれた課長級まで進んだ職員のそれまで培った専門的な知識や経験を生かして、定年まで働けるようにするための専門スタッフ職として、2012年度も非上場株式など市場価格がないものの評価が適正化どうかを分析する「財産評価手法研究官(仮称)」と徴収関係の訴訟に関する取組みについて支援を行う「徴収争訟分析官(仮称)」の設置を要望している。

 なお、国税庁が同日に公表した2012年度予算概算要求・要望額によると、緊縮財政のなかで税務行政といえども必要経費を十分に確保することは難しいが、2012年度は、2011年度当初予算額に比べ0.6%(約42億円)減の約7143億円を求めた。国全体の歳出削減が厳しく求められるなかで、税務行政の一層の適正な執行を確保し、適正・公平な課税の実現や歳入確保の要請に応えるためのギリギリの要求ということになる。

 この件の詳細は↓
 http://www.nta.go.jp/kohyo/press/press/2011/teiin_kiko/index.htm

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