2011年09月29日-2
保険年金の源泉徴収廃止は再来年、還付申告忘れずに!

 2011年度税制改正では、昨年の二重課税裁判の最高裁判決を受けた調整が予定通り実施されることになった。その内容は、「生命保険契約等に基づく年金に係る源泉徴収制度等について、その年金の支払を受ける人と保険契約者とが異なる契約等で一定のものに基づく年金を対象から除外することとする」というもの。つまり、契約者と受取人が異なる場合、年金受取りの生命保険金に係る所得税の源泉徴収は行わないということだ。

 従来、この手の保険契約に基づく年金受取りの保険金は「雑所得」として扱われており、受取人に支払われる都度、支払者である保険会社によって所得税が源泉徴収されてきた。昨年の最高裁判決では、年金受給権に対して相続税が課税されているうえ、毎年の年金に所得税が課税されるのは二重課税と判断されたため、年金額のうち相続税が課税済みの部分には所得税は課税できないこととされたわけだ。

 ただし、この改正の適用時期には注意が必要だ。改正法によると、源泉徴収の廃止は「2013年1月1日以後に支払うべき年金について適用」とされている。最高裁判決によって年金受取りの保険年金に所得課税はできないことになったわけだが、実際に源泉徴収が廃止されるのは再来年ということになる。このため、それまでの間に受け取った年金については、還付申告によって源泉徴収された税金を取り戻すことになるので留意したい。

 なお、この特別還付金の請求手続きから特別還付金の受領までの流れは、まず、2011年6月30日から2012年6月29日までに、「特別還付金請求書」に「特別還付金の額の計算明細書」やその他必要な書類を添付して所轄税務署に提出する。その後、税務署から特別還付金の請求者宛に、郵便で支給決定等通知書が届き、振込通知書が届いた後、指定された預貯金口座に振り込まれることになる。

 特別還付金の請求手続きをするためには、「特別還付金請求書」と「特別還付金の額の計算明細書」を作成する必要があるが、国税庁のホームページ上にある「特別還付金請求書等作成システム」の画面の案内にしたがって金額等を入力することにより、特別還付金請求書等が簡単に作成できる。ただし、操作を始める前に、「特別還付金請求書等作成システムをご利用になれない方」を確認しておきたい。

 「特別還付金請求書等作成システム」は↓
 https://www.keisan.nta.go.jp/kanpu/jsp/KAM00100.jsp

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