2011年09月28日-2
日税連、大震災の被災者支援でさらなる税制改正要望

 日本税理士会連合会(池田隼人啓会長)は、東日本大震災に関する税制改正要望については去る3月29日にいち早く要望を行い、現在の震災特例法に反映されているが、大規模災害への対応策を参考としつつも、被災者の救援、安定した生活の実現、被災地の復興のため、大胆かつ柔軟な対応が望まれるとして、さらに9項目の要望を行っている。同会では、速やかな実現を求めている。

 まず、震災特例法の適用を受けるための手続きや計算方法については、簡便な方法が示されているものの、被災者にとっては、簡略化された手続きや計算を行うことが困難な場合も考えられる。このため、課税の公平にも配慮しつつも被災者の現状に応じた柔軟な対応が望まれる。また、税理士が納税者の代理として過年度の申告書等の閲覧をする場合に、本人確認や代理権限の確認を簡略化することが望まれるとしている。

 また、所得税関係で、法人が被災者を雇用し、その者に家賃等の補助をした場合の経済的利益に対する課税を軽減・免除する。法人税では、法人が被災した取引先に支出する見舞金は交際費に該当せず損金の額に算入されるが、その取引先の役員や従業員で被災した者がいる場合に、その者に直接的に支出する見舞金であっても、その社を通じて支出されるものと同等であると認められるものは、交際費以外の費用とすべきとしている。

 さらに、空室となっている社宅や遊休の保養施設を避難所や居住施設として提供した場合に、割増償却等の特例措置を設ける。被災者を新たに雇用する場合に、2011年度税制改正案で示されている雇用促進税制(税額控除制度)を拡充するなどの措置が必要。例えば、原子力発電所事故により避難を余儀なくされ、長期間にわたり地元に戻れない者を雇用した場合には、控除額の割増等を行うべき、としている。

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