2011年09月20日-1
復興増税案、所得税・法人税を軸に10年間増税

 政府税制調査会は16日、東日本大震災からの復興財源に充てる復興増税案を示したが、所得税と法人税を軸に増税期間10年とする案が有力となった。政府税調が提示した資料によると、今後5年間の復興費を13兆円と試算、うち5兆円は歳出削減と税外収入で捻出し、残りの8兆円程度に復興債で補てんすることとされた年金臨時財源2.5兆円などを加えた11.2兆円程度が臨時増税の規模となる。

 臨時増税の内訳は、国税が10.4兆円、地方税が0.8兆円。国税では、所得税は現行の所得税額に対して、また、法人税は2011年度税制改正(法人実効税率の引下げ+課税ベースの拡大)を実施したうえで法人税額に対して、それぞれ一定の税率を課税する時限的な付加税を創設する。当初、消費税の段階的引上げ分を復旧・復興費用に充てる案も示されたが、消費税は社会保障・税一体改革との関係で外された。

 具体的な国税の増税は、所得税付加税が0.8兆円/年(5.5%)×10年で7.5兆円、法人税付加税が0.8兆円/年(10%)×3年で2.4兆円、所得控除の見直しが0.1兆円/年×5年で0.7兆円の計10.4兆円とする案が有力だ。法人税については、2011年度税制改正案の法人税率5%引下げなどを決めたうえで、3年間に限り復旧・復興財源としての法人税付加税10%を上積みする定率増税を実施する。

 一方、地方税については、現行の個人住民税の均等割の標準税率(年額)4000円(道府県民税1000円、市町村民税3000円)を、例えば年1000円であれば10年間、年2000円であれば5年間、引き上げて計0.6兆円を確保するとともに、2011年度税制改正案事項である所得控除などの見直しを4年間実施し0.2兆円を充当することで、計0.8兆円の増税となる。なお、復興税の名称として「復興貢献特別所得税」(仮称)などを例示している。

 関係資料は↓
 http://www.cao.go.jp/zei-cho/gijiroku/zeicho/2011/23zen9kai.html

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