2011年09月15日-3
8月負債総額7975億円8100万円、今年最大を記録

 帝国データバンクが発表した法的整理による全国企業倒産状況(負債1千万円以上)によると、8月の倒産件数は969件で、前月比は0.4%、前年同月比も0.5%の増加となり、2ヵ月連続で前年同月を上回った。震災、円高、原料高の影響などで先行き不透明感が増すなか、業種別では小売、サービスの2業種の増加が全体の件数を押し上げた。震災後、倒産件数は増減を繰り返しながら、緩やかな増加基調にシフトしつつある。

 一方、負債総額は7975億8100万円で、前月比は293.1%、前年同月比も371.3%の大幅増加となり、4ヵ月ぶりに前年同月を上回り、今年最大を記録した。これは、和牛預託オーナー制度運営の安愚楽牧場(負債4330億8300万円、栃木県)や消費者金融準大手のSFコーポレーション(同1897億円、神奈川県)が倒産し、負債1000億円以上の大型倒産が、2月の林原(岡山県)以来6ヵ月ぶりに発生したことが要因とみられる。

 業種別にみると、7業種中2業種で前年同月を上回った。なかでも、小売業(188件、前年同月比41.1%増)の増加が目立った。一方、建設業(252件、同14.0%減)、製造業(123件、同8.2%減)などの5業種では前年同月を下回った。小売業では、食品小売(32件、同39.1%増)やガソリンスタンド(8件、同300.0%増)で増加が目立つ。建設業では、土木工事(45件、同25.0%減)が大幅に減少した。

 負債額別にみると、負債1000億円以上の倒産が2件発生した。一方、負債5000万円未満の倒産は496件発生、構成比は51.2%で、3ヵ月連続で50%超を占めた。資本金別にみると、個人経営と資本金1000万円未満が539件発生、構成比は55.6%を占めた。中小企業は968件、構成比99.9%、小規模企業も825件で同85.1%を占め、小規模・零細企業の倒産は依然高水準で推移している。

 同倒産状況の概要は↓
 http://www.tdb.co.jp/report/tosan/syukei/1108.html

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