2011年09月01日-1
仮決算の中間申告で棚卸資産等の損失を控除できる

 法人の2011年3月11日から同年9月10日までの間に終了する中間期間において、東日本大震災により棚卸資産等について生じた損失の額で一定のものがある場合には、その中間期間に係る仮決算の中間申告において、その中間期間において課される所得税額でその中間期間の法人税額から控除し切れなかった金額(その損失の額を限度)を還付できる措置が講じられている(震災特例法16、同法24)。

 そこで、棚卸資産等について生じた損失の額で「一定のもの」とは、棚卸資産、固定資産または固定資産に準ずる繰延資産について生じた損失の額(保険金、損害賠償金その他これらに類するものにより補填されるものを除く)の合計額となる。「東日本大震災に関する諸費用の法人税の取扱いについて(法令解釈通達):2011年4月18日」に、その定めがある。

 ここでは、法人が、災害のあった日の属する事業年度(被災事業年度)に、被災資産の修繕等のために要する費用の見積額以下の金額を災害損失特別勘定として経理したときは、その被災事業年度等の所得の金額の計算上、損金の額に算入されるとある。この場合、被災事業年度等の確定申告書等に災害損失特別勘定の損金算入に関する明細書を添付する必要がある。

 税務署長は、控除し切れなかった金額の記載がある仮決算の中間申告書の提出があった場合には、その控除し切れなかった金額が過大であると認められる事由がある場合を除き、遅滞なく、還付または充当の手続をしなければならない。また税務署長は、必要があると認めるときは、その還付を受ける法人に対し、その控除をされるべき金額を証明する書類や帳簿の提示または提出を求めることができるとされている。

ウィンドウを閉じる