2011年08月24日-1
「行政不服申立制度の改革方針第2版」がパブコメに

 行政不服申立制度の改革を検討している内閣府の行政救済制度検討チームはこのほど、「行政不服申立制度の改革方針に関する論点整理(第2版)」をまとめ、パブリック・コメントに付した。今回の第2版では、「行政不服審査法の改革」、「地方における新たな仕組みの検討」が示されているが、「不服申立前置制度」に関しては、現在、各省庁からのヒアリングが進められており、含まれていない。

 このなかで注目されるのが「審理官制度の創設」で、審理手続きを行う者として、処分に関与していないなど一定の要件を充足する「審理官」を審査庁となるべき行政庁に置き、審理官は独立して職権を行使し、法令と良心のみに拘束されるものとし、多様な裁決メニューから最適な解決策を選択するなど、公正さにも配慮した簡易迅速な手続きの下、柔軟で実効性のある解決を図るものとするとしている。

 また、審理官が関係行政庁への拘束力を有する裁決の案となる裁決意見書を自らの名において作成することを踏まえ、当該審査請求の処理により不利益な扱いを受けないことについて強い要請があると考えられることから、特に降任、免職等に至らない事実上の不利益な取扱いの防止を規定する方向で整理する。例えば国おいては、内閣府に一括して審理官を置くなど、内閣・内閣府が任命に関わることも検討するとしている。

 さらに、審理官任用の条件として、審理官は大臣等のした処分について裁決意見書を作成することとなることを踏まえ、その任用においては、行政に関する高度の専門的な知識と十分な経験を有する者を活用する。審理官に求められる素養として、(1)個別の行政分野に対する専門的知識経験、(2)法律の基本的な知識、(3)争訟手続きの主宰者としてのスキル、などが挙げられるとしている。

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