2011年08月22日-3
障害者を多数雇用する企業に地方税の特例

 心身障害者の社会進出をバックアップするため、税制面でも多くの特例措置が講じられている。国税関係では、障害者を多数雇用する企業に対する割増償却制度が拡充されているし、地方税でも心身障害者を多数雇用する事業主に係る不動産取得税・固定資産税の課税の特例、心身障害者を多数雇用する事業主に係る事業所税(資産税割、従業員割)の特例もある。それぞれ、微妙に要件が違うので注意が必要だ。

 まず、不動産取得税・固定資産税では、(1)障害者雇用割合が50%以上かつ20人以上障害者を雇用(公共職業安定所長が発行する証明が必要)、(2)「重度障害者等多数雇用施設設置等助成金」等を用いて事業用施設(作業用に限る)を取得していることが要件。ここで、重度障害者は、短時間労働者を除く重度障害者は1人を2人として、重度以外の障害者である短時間労働者は1人を0.5人としてカウントする。

 この要件をクリアした事業者は、不動産取得税では2013年3月31日までの間に取得し、引き続き3年以上事業の用に供する事業用施設を、当該税額から取得価額の10分の1に相当する額に税率を乗じて得た額を減額、固定資産税では2013年3月31日までの間に取得した事業用家屋(取得から当初5年度分)を、課税標準となるべき価額の6分の1に心身障害者の雇用割合及び税率を乗じた額が減額される。これは、2013年3月31日までの措置。

 一方、事業所税は、(1)障害者を10人以上雇用、(2)障害者雇用割合が50%以上、(3)「重度障害者等多数雇用施設設置等助成金」を受給、が要件で、「資産税割」の事業所床面積の2分の1に相当する面積を控除する。「従業員割」は、従業者給与総額の算定及び免税点の判定において、障害者(身体障害者手帳、療育手帳、精神保健福祉手帳等の手帳所持者)は従業者から除かれる。こちらは、恒久措置となっている。

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