2011年08月22日-2
震災特例による建物から土地への買換えは適用不可

 法人または個人が、2011年3月11日から2016年3月31日までの期間内に、特定の資産を譲渡し、一定期間内に資産を取得して事業の用に供した場合、特定の資産の買換えの場合の課税の特例が適用されるが、震災特例法により、その取得の日から1年以内にその事業の用に供する資産について、その譲渡をした資産に係る譲渡利益金額に相当する金額の範囲内で圧縮記帳(課税繰延割合100%)ができる。個人は、取得価額の引継ぎができる。

 買換えの範囲は、(1)被災区域である土地等またはこれらとともに譲渡をするその土地の区域内にある建物若しくは構築物で、2011年3月11日前に取得されたものから、国内にある土地等または国内にある事業の用に供される減価償却資産への買換え、(2)被災区域である土地以外の土地の区域内にある土地等、建物または構築物から、被災区域である土地等またはその土地の区域内にある事業の用に供される減価償却資産への買換え、となる。

 ここで、特例を適用する場合に、その事業年度中の買換え資産のうちに土地等があり、その土地等の面積が譲渡資産の土地等の面積の5倍を超えている場合には、その超える部分の面積に対応する土地等は買換え資産に該当しない。このため、譲渡資産を建物のみとし買換え資産を土地等とした買換えについては、面積制限の比較ができないことから、この規定が適用できないので注意が必要だ。

 また、法人が、2011年3月11日前に取得した土地等と同日以後にその土地等の上に建設をした建物等を一括譲渡した場合には、その土地等についても同制度の譲渡資産には該当しないことになるのかという疑義が生じる。この点について、その土地等と建物等は別個の資産であり、譲渡資産に該当するか否かは別々に判定するので、2011年3月11日前に取得をした土地等については譲渡資産に該当し、建物等が該当しないことになる。

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