2011年08月18日-4
消費税の段階的引上げと複数税率に反対~百貨店協会

 日本百貨店協会がこのほど発表した2012年度税制改正要望によると、消費税引上げについて、議論の前提として将来不安払拭のための明確なビジョンを示すとともに引上げのタイミングを慎重に見極めるよう求めた。また、消費税率の段階的引上げと複数税率制度導入には反対を表明し、消費の減退を極力少なくするためにも、増収分は社会保障財源に充てる、逆進性対策として給付付き税額控除制度の検討を求めている。

 所得税(個人・法人税)では、東日本大震災は未曾有の大規模激甚災害であり、全国に影響を与えており、復興を確実にするためには個人所得税の増税には慎重であるべきで、特に被災した(または被災地域の)個人・法人に対する所得税は、当分の間、一律の減免措置をとるよう要望。また、被災地域において雇用の維持をはかる事業者に対する税制上の優遇措置も充実し、当分の間継続することを求めている。

 印紙税では、業界柄、印紙税制度については廃止を含む抜本的な見直しを求めている。印紙税は、経済行為に付随して作成する文書に担税力を求めた文書課税制度であり、IT化によるペーパーレス取引が進んだ今日、同じ経済行為であっても、「有体物としての文書」の有無によって、課税の有無が分かれる大変不合理な制度となっており、廃止を含めて抜本的に見直すべきとしている。

 地方税関係では、固定資産税について、人口減少社会の到来と地域格差の拡大により地方都市の地価は長期間下落傾向にあり、主要都市部の商業地も下落に転じており、都市型の百貨店は、来店客の利便性の高い公共交通機関の要所での出店が店舗政策上重要。商業地等事業用地に関わる固定資産税を軽減し、土地の収益力を回復させれば、百貨店を核とした地域再活性化につながり、結果として地方税収の増加にも寄与する、としている。

 同改正要望の全文は↓
 http://www.meti.go.jp/topic/downloadfiles/110811a01_01j.pdf

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