2011年08月03日-2
B型肝炎救済の枠組み閣議決定~7千億円臨時増税

 政府は7月29日、B型肝炎訴訟の和解金の財源について、臨時増税で7000億円を賄うことなどを定めた「全体解決の枠組みに関する基本方針」を閣議決定した。増税の税目については、8月以降に開かれる政府税制調査会で議論するが、所得税と酒税、たばこ税などの臨時増税で賄う方向で調整に入っている。国民全体で広く負担を分かち合う観点から所得税が有力視されている。

 厚生労働省は、当面5年間で必要な和解金などの費用を1兆1000億円と見込み、このうち、現在の患者に支払う8000億円分について、臨時増税の7000億円と厚労省予算の見直しで1000億円を捻出。残り3000億円は未発症者への支払いに充てられるが、感染を自覚していない人も多いことから請求状況をみながら財源を確保する。同省では、その後の25年間で必要な和解金などの費用を最大約3兆2000億円と見込んでいる。

 「B型肝炎訴訟への対応の基本方針」(2011年6月28日)によると、救済対象者は、1948年から1988年までの集団予防接種における注射器等の連続使用により満7歳になるまでの間にB型肝炎ウイルスに感染した者及びその母から感染した者で、対象者は裁判所が認定するとし、当面の和解金等の支給に必要な費用を踏まえ、期限を限って国民全体で広く分かち合う観点から、特別の財源措置を講じる、としている。

 給付金等の支給は、「死亡・肝がん・肝硬変(重度)」が3600万円、「肝硬変(軽度)」が2500万円、「慢性B型肝炎」が1250万円、「無症候性キャリア」が600万円。また、除斥期間が経過した者への政策対応として、「無症候性キャリア」に給付金50万円及び定期検査費用(年4回まで)等、「現在慢性B型肝炎である者等」に給付金300万円、「現在はB型肝炎でない者」に給付金150万円が支給される。

 B型肝炎に対する政府の対応は↓
 http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001h6p9-att/2r9852000001h6ww.pdf

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