2011年08月03日-1
首都圏9都県市、緑地保全へ向け税負担軽減を要望

 首都圏の9都県市首脳会議(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県・横浜市・川崎市・さいたま市・千葉市・相模原市の首長で構成)はこのほど、急速な減少を続けている首都圏の緑地の保全・創出・再生と、快適な生活を確保するとともに自然環境の維持を目的に、「緑地保全の推進に係る税制上の軽減措置及び国の財政支援策の拡充等」に関する要望書を環境省・総務省・財務省・国土交通省など国の機関に提出した。

 大都市圏の緑地面積は年々減少を続けている。国土交通省によれば、首都圏・近畿圏の既成市街地13万9000ヘクタールのうち1976年に14.9%だった緑地率は30年後の2006年には8.1%と46%も減少した。その大きな原因として指摘されるのが相続税問題。高額な相続税が相続発生時に緑地を開発用地として転用・転売させている、といった傾向に歯止めをかけるため、今回、9都県市が共同で税制上の負担軽減措置等を国に求めたものだ。

 具体的な要望事項は、(1)保全緑地に係る相続税について、納税猶予制度を創設するなど、緑地所有者が持続的に保有できるような税負担の軽減措置、(2)物納された緑地(農地を含む)を自治体が優先して保全できる仕組みの構築、(3)保全緑地を公有化する際の譲渡所得の特別控除額の引上げ、(4)自治体が交付する緑地保全奨励金等の非課税化、(5)買取申出のあった生産緑地を自治体が買い取るための財政支援、など9項目。

 現在、緑地保全と相続税に関する国の支援制度としては、管理協定制度がある。これは特別緑地保全地区等の土地所有者が自治体や緑地管理機構と管理協定を締結することによって相続税が特別緑地保全地区として評価されるうえ、評価額も2割軽減されるという仕組み。今回の要望でも、所有者の理解を得やすくするため、これらの相続税の評価額控除制度のさらなる周知徹底を図ることを求めている。

 同要望書の全文は↓
 http://www.city.yokohama.lg.jp/kankyo/kisha/h23/images/110725-1-2.pdf

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